発想転換の踏み台

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毎日500mlのコーヒーをがぶ飲みしていた私がマイボトルに変えたら、「節約」と「エコ」でこんなに得した

「SIGG」の600ml入りアルミボトル

愛用している「SIGG」の600ml入りアルミボトル

毎日、500mlペットボトルのアイスコーヒー飲まないと働けなかった

私は2020年11月から、ペットボトルを買うのを止めた。きっかけは、「節約」に目覚めたことだ。

 

それまでは、仕事がある日は毎日、会社のあるビルに入ったコンビニで500mlのアイスコーヒーを買い、それをがぶ飲みしないと頭がはっきりしなかった。今思うと異常だが、そんな生活を少なくとも8年くらいは続けてきただろうか。

 

だが、当時読んだ本をきっかけに、なるべく日々の消費を抑え、その分、労働の重荷を軽くすることを目指すようになった。出費を抑えるため最初に手を付けたのが、ペットボトルのアイスコーヒー購入を止めることだ。そもそも、コーヒーを500mlもがぶ飲みすると毎回ちょっと気分が悪くなったし、なんだか「ドーピング」をしているようだったから。

 

代わりに、「マイボトル」に毎日、水道水を入れて持っていくことにした。これなら、原価はほぼゼロに近い。妻が買って水道に取り付けた浄水器は約1年でフィルターを交換する必要があるが、それとて年間約5000円の出費だ。

 

ボトルには、スイスの老舗メーカー「SIGG(シグ)」製の600ml入りのアルミボトルを使用。ボトルの銘柄にこだわりがあったわけではないが、軽くて頑丈、持った時の質感もよく、水漏れの心配もないので今ではお気に入りの一品だ。

マイボトルに変えてもストレスなんてなかった

ということで、マイボトル生活を始めて現在で約7カ月目。最初はうっかり持ち忘れることも多かったが、今ではすっかり習慣として定着した。やってみて驚いたのは、これまで飲まなければ気が済まなかったコーヒーを飲まなくても、何らストレスを感じないこと。

 

また、浄水器を通しているせいもあるかもしれないが、水道水の味には何の不満もなかった。SIGGのアルミボトルには保温性はないので常温の水だが、それだって逆にお腹に優しくていい。冷え冷えのミネラルウォーターなんて、自分には必要なかったのだ。

 

一度、上司に「いつも何を飲んでるの?」と聞かれて「水道水です」と答えたら驚かれたことがある。意識高い系の外国産ミネラルウォーターでも飲んでいると思われたのかもしれないが、そんなことに金を使ってたまるか、と思ったものだ。

日本人1人あたりのプラスチック消費量は世界2位

偶然だがその後、海洋プラスチック問題に注目するようになった。海に流れ出るプラスチックの重量が、2050年には海の魚の重量を超えるという。プラスチックは砕けてマイクロプラスチックとなり、様々な有害物質を吸着しながら生き物の体内に蓄積される。

 

自然に還る新素材の開発や、リサイクル技術の進展も待たれるところだが、一番シンプルな解決策はもちろん、プラスチックの消費量を減らすことだ。国民1人あたりが排出するプラスチックの量は、日本が世界2位という不名誉な数字だ。

 

自分は節約からマイボトル生活に入ったわけだが、日々、ペットボトルを消費しないことでプラスチック問題の改善にも貢献できるわけだ。自分にも地球にも得、いいこと尽くめではないか。

ペットボトル→マイボトル で得られた効果を計算してみると……

そこで、マイボトル生活に切り替えたことの効果を簡単に計算してみた。

 

まずは金銭面だ。

 

これまで、税込み139円のアイスコーヒーのペットボトルを月間約22日間、12カ月にわたって毎日買っていた。つまり、すべての勤務日だ。ペットボトル生活の1年間の支出は、

 

139(円) × 22(日) × 12(月) = 36,696円

 

1カ月あたり、3,058円の出費である。

 

これがマイボトル生活となったことで、どうなったのか。水道水の値段は限りなく安いのでカウントしないこととして、かかるのは浄水器代のカートリッジ代の5,280円のみ。つまり、

 

36,696 円 –  5280円   =  31,416円

 

が節約できたわけだ。5年続ければ15万7,080円、10年続ければ31万4160円。馬鹿にならない金額である。まあ、これだけだと大したことない、と思う方もいらっしゃるだろうが、ペットボトル→マイボトルというたった1ステップだけでこの効果だ。こうしたささいな変化を生活の様々な面で積み重ねていくと、支出を大幅に減らすことは十分に可能だ。

 

さて、では、地球環境への負荷となるプラスチックごみの排出の面ではどうだろうか。

 

500mlのペットボトルの重量は、約20グラム。これを、年間22日×12カ月=264本消費していたので、その重量は、

 

20グラム × 264本 =  5280グラム = 5.28㌔グラム。

 

正直、想像していたよりはるかに重かった。鉄アレイ1つ分くらいのペットボトルを、毎年消費していたわけだ。

 

ちなみに、日本人1人あたりの年間のプラスチック容器・包装の廃棄量は35㌔グラムだという。自分がもしこの平均値程度のプラスチックを消費してきたとしたら、マイボトル生活だけで約15%もプラスチックの消費を減らすことができたことになる。これをもしすべての日本人、いや、すべての消費大国の住人が実施したら……。革新的な新技術を開発したわけでもないのに、地球環境にとってかなりプラスの変化を起こせるわけである。

 

どうだろうか。家計にも、地球環境にも優しいマイボトル生活。一概に、「意識高いやつらの自己満足」と笑い飛ばすこともないのではないかと思う。

 

(参考文献:『プラスチックの現実と未来へのアイデア』高田秀重監修/東京書籍