ストロングハイは即アウト!? 脳を委縮させない「適量飲酒メジャーカップ作戦」
毎日晩酌でついついお酒を飲み過ぎてしまう人は要注意。実は、飲酒にはがん、脳の萎縮、男性ホルモンの低下など、見過ごせない健康リスクがあるといいます。それを避けるには、1日に接種するアルコール量を一定以内に抑える「適量飲酒」を守ることが肝要。便利アイテム「メジャーカップ」を使ったライフハック術をご紹介します。
酒をやめたくないけど、このままじゃ病気になる予感
社会人になってしばらくして、夜、毎日飲まないと気が済まないようになっていた。飲み会がないときも、家で缶ビールとかワンカップの焼酎をグビグビと。仕事が常にストレスフルなこともあり、そうしないと、心が落ち着かない気がしていた。
そんな生活を、かれこれ18年。
そんな時、YouTubeで中田敦彦氏が「禁酒」を勧める動画を見て、「酒は体に毒だ」ということを再認識させられた。うっすらと知ってはいたが目を背けていた「不都合な真実」。
でも、完全禁酒はあまりにもつらい。酒を飲むこと自体は放棄せずに、健康が手に入らないものか……そう考えていた時に図書館で目に飛び込んできたのが、『酒好き医師が教える最高の飲み方』(葉石かおり著・浅部伸一監修・日経BP)だ。
飲酒が招く「がん」「脳の萎縮」「男性ホルモンの減少」
この本、著書の葉石さん自体が「酒ジャーナリスト」を名乗る酒好きということもあって、日本酒やワイン、焼酎には実は体に良い面もある、とういことがけっこう強調されているのだが、やっぱり、それでも下記のような拭い去れない「酒の危険性」の方に目がいってしまう。
・1日あたり日本酒換算で2合飲む人、あるいは同3合以上飲む人は、時々飲酒(週1日未満)している人に比べ、がん発症リスクがそれぞれ1.4倍、1.6倍。
・頻繁に酒を飲む人の脳は、あまり飲まない人に比べて10~20%委縮している。日常的に大量に飲んでいた男性は、そうでない人に比べて認知症リスクが4.6倍、うつ病リスクが3.7倍。
・脂肪肝の一因はアルコール。アルコール代謝時にできる脂肪が肝臓に蓄積してフォアグラ状態になり、放置すると脂肪の繊維化が進み、肝硬変や肝がんになる可能性がある。
・40代以降減少していく男性ホルモン・テストステロンを過度な飲酒がさらに減少させ、男性更年期症候群(LOH症候群)になりうつ症状になる人もいる(ただし、適量の飲酒は男女ともにテストステロンを上げる作用がある)。
……と、ここに挙げたのはほんの一例で、数え切れないくらいの健康リスクがあることがわかった。特に、脳の萎縮なんかはぞっとする。酒飲みだった父が脳腫瘍になって脳のCT画像を撮ったとき、73歳だったのに医者に「80代くらいの脳ですね」と言われていたのを思い出してしまった。あれも、酒のせいだったのかも……。
著者の葉石さんも取材しながら驚いたようで、「左党(酒好き)の私にはショックだった」的な記述が随所に見られた。でも、自分もそうだから思うけど、「左党」って、ある面では「軽度のアルコール依存症」と同じ意味なのかも……。だって、これだけ体に悪いと分かっていても、やっぱり飲みたいんですもん。しかも、できれば毎日。
カギは「適量飲酒」。純アルコール量を計算せよ
と、絶望的な気持ちを味わえる本なのだが、諦めるのはまだ早い。この本は、飲酒と健康を両立する方法を提唱している。その方法とはズバリ、「適量飲酒」だ。
拍子抜けするくらいシンプルな答えだが、真実とは案外そんなものなのかもしれない。具体的には、1日に摂取する純アルコール量を20グラム以内に抑えることで、上記の健康リスクをゼロにはできないものの、最小限の範囲内にとどめることができるという。
純アルコール量(g)の計算方法は、
【飲んだ酒の量(ml)× アルコール度数/100 × 0.8】
で求められる。0.8はアルコールの比重らしい。非常にシンプルだ。
たとえば、12%の日本酒だったら1合(180ml)で17.28g、6%のビールを350ml缶で一つ飲んだら、16.8g。だいたいこれくらいが、1日に飲める量の目安だ。
ちなみに、9%の「ストロング系」チューハイが流行っているが、あれを350ml飲んだら純アルコール量は25.2gで、これだけで1本で1日の適量をオーバーしてしまう。まあ、この適量は毎日厳密に守るというよりは「1週間の合計で150g程度に抑える」ということでも良いらしいのだが、私のように「毎日飲みたい」という人には、ストロングハイはご法度のようだ。何ともショッキングな話である。
ただ、これも健康のためだ。早速私も、アルコール量を1日20g以内に抑える「適量飲酒」生活を始めてみた。
が、すぐに壁にぶち当たった。私は最近、コスパを考えてボトルのワインや紙パック1.8ℓの焼酎をグラスに注いで飲む晩酌スタイルにしていたのだが、これだと、自分がどれくらい飲んだのかすぐ分からなくなってしまうのだ。
「さっきグラスの6割くらい注いだから、あとグラス2割分くらい飲めるかなぁ」
とかやっていると、酔いも手伝って自分に甘くなり、ついつい容量オーバーしてしまうのである。
「メジャーカップ」と「はげみ表」で習慣化にトライ
そこで私が考案したのが、「メジャーカップ作戦」だ。
メジャーカップとは、バーテンダーがカクテルを作るときに使う、金属製の小さい器。東急ハンズで、30mlと45mlが量れるカップを購入した。お値段は税込1430円。まあ、これで健康が手に入るなら安いもんだ。
結果は……大成功。グラスに注ぐときにこれでいちいち量れば、自分がいま、どくれらいのアルコール量を摂取したかははっきり分かる。それを毎日「はげみ表」につけている。
人と外に飲みに行った時だけは例外ということにしているが、家で飲む際にはかならず、摂取したアルコール量を「はげみ表」につけ、もう2週間、「1日20グラム以内」を守っている。自分の場合、こういうチマチマした努力がけっこう向いているのだ。
以前はおそらく、この3倍~4倍は毎日飲んでいたと思う。あのまま続けていたら、恐らく病気になっていただろう。しばらくは「はげみ表」をつけ続け、この生活を新たな「習慣」として、しっかり定着させたい。
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【私が購入したメジャーカップはこれ】
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