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無料で受けられるオンライン「統計オープンデータ」講座で、国のデータを使い倒す術を覚えよう

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YouTubeのgacco公式チャンネル「誰でも使える統計オープンデータPV」より

総務省統計局が提供する「超」役にたつ講座とは

昨年末から始めてみた、オンラインで受けられる大学講座「JMOOC」。前回受けた「SDGs表現論」に続いて私が選んだ講座は、「gacco」というサイト内で総務省統計局が提供する「誰でも使える統計オープンデータ」だ。

 

講義を受けるまでちゃんと知らなかったのだが、総務省統計局は国勢調査をはじめとして家計調査、社会基本調査など実に数多くの統計を日々とっており、その結果を「e-Stat」というサイトで公開している。

 

この講座は、その「e-Stat」の使い方を懇切丁寧に教えてくれる。ちょっと複雑で、初見では使いこなすのが難しいサイトだが、この講座を受けたら各種データの出し方とか、グラフの作成とか、基本的な操作はだいたい理解できた。

 

それに加えて、地図上でデータを表示したり集計したりできる「統計GIS」の使い方も教えてもらえる。こちらはやや上級編だったが、自分でつくった地点リストを地図にとりこんで表示することも出来て、使いこなせれば表現の幅がぐっと広がる。

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地図を使った「統計GIS」の操作画面。災害時の避難所の位置を住所リストから地図上にマッピングした

講師は基本的に総務省職員の方々が交代で務めており、お役人さんらしいマジメな、というかやや台本棒読みの抑揚ない感じで進んでいく。でも、決して内容が分かりにくいわけではないので、ご安心を。そういうカルチャーなのだと思って楽しもう。個人的には、『統計学が最強の学問である』という名著を書いた統計家の西内啓さんがゲスト講師(❔)で登場するサプライズに興奮した。


自分の興味分野のデータを調べる楽しさ

私がなぜ、この小難しそうな講座を受けたのかというと、前々から、論理よりも情緒が先に立つ日本の報道に問題意識があり、データに語らせる「データジャーナリズム」に大いに興味があったからだ。

 

データジャーナリズムをやってやる!と偉そうなことを言っても、肝心のデータがなければ何も始まらない。特に「国」が提供するデータはやはり質、量ともに圧倒的。そこにアクセスするには、「e-Stat」を避けては通れないというわけだ。

 

もちろん、自分のビジネスに関連したジャンルのデータをとれば思わぬ発見があるかもしれないし、そんな大袈裟なことじゃなくても、自分の興味ある分野や自分の住む地域について調べてみるだけでもけっこう楽しい。一種の「遊び」や「暇つぶし」としてもこのサイトは使える。何せ、我々の税金でこれだけの統計をとり続けているんだから、使わないと損だ。

 

早速、実践。「e-Stat」でデータを取得しグラフを出してみた

というわけで、私も早速、自分がいま興味を持っている気候変動のための「肉食中心→菜食中心」というライフスタイル転換にちなんだデータを取得してみた。

 

それが、このグラフ。「家計調査」の結果から、世帯あたりの生鮮肉と生鮮魚介の消費量の推移だ(調査対象は農林水産業従事者を除く二人以上世帯。単位はグラム)。

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肉の消費量(赤の折れ線)はデータのある1985年から2000年くらいにかけて一時、低下したが、その後はじわじわと増加し、2010年代半ばには85年の水準を上回り、上昇傾向のまま現在に至っている。また、魚介類の消費量(紫の折れ線)は一貫して下がり続けていることがわかる。

 

環境負荷の高い畜肉の生産が温室効果ガスの排出量増大につながることを考えると、これはよろしくない傾向だ。

 

では、肉にかわるタンパク源として注目される豆類はというと‥

 

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豆類については消費量での項目がなかったので金額ベースだが、なんと、どんどん消費額が減り続けているうえに、そもそも元々の量が圧倒的に少ない。一家庭平均で、年間1000円未満て。節分の豆まきして終わりレベルやん!

 

この数字は豆腐などの大豆加工品を含んでいないので注意が必要だが、「豆食」生活に可能性を感じている自分としては、このジャンルにはまだまだ果てしない伸び代があるという希望を抱かせる。

 

と、こんな感じで興味深いデータがわんさか出てくる。ちなみにオープンデータ講座も、「e-Stat」も「統計GIS」も、みんな無料。これは値千金のツールだと思うので、興味のある方は是非トライしてみてください。

 

【gaccoのサイトはこちら】

無料で学べるオンライン講座「gacco」


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