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家庭菜園でプチ自然農法に挑戦してみた驚きの結果

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雑草を抜かず、肥料もやらないワイルドな農法

いま、16㎡ほどの家庭菜園がついている賃貸物件に住んでいる。ドアを開けたら畑があり、朝ご飯のお味噌汁に入れる小松菜を収穫できる。はっきり言って、最高である。


家庭菜園生活も3年目に突入し、ふと、思い立って始めてみたことがある。本で読んだ「自然農法」のエッセンスを一部取り入れてみようと思ったのだ。


一口に自然農法と言っても色々な流儀があるらしいのだが、何冊か本を読んでざっくり理解したところとしては、


・なるべく雑草を抜かない

・なるべく肥料はあげない

・草マルチで地面を覆う

・あまり水をやりすぎず、雨に頼る


といったところがあげられる。

では、なぜこれらの一見「変」な工夫を行うのか。専門家ではないのでごく簡略化、かつ私見が混じっているかもしれない説明だが、


・雑草をとらないことで畑の植物の生態系が多様になると、さまざまな虫、微生物などの生き物が生息するようになり、特定の害虫だけが大繁殖することを抑えられる。また、虫食い被害が野菜だけに集中しなくなる。


・肥料をあげすぎると地中の微生物のバランスが失われて、長期的に見ると土壌が貧弱になる。また、肥料をあげすぎた植物は栄養過多となり、多くの害虫を呼び寄せてしまう。


・藁や野菜の収穫後の残渣、抜いた雑草などで土の表面を覆う「草マルチ」で土の乾燥や温度の乱高下が抑えられて植物の生育に良い効果がある。枯れ草自体が分解されていくため、ビニールマルチよりも地中の微生物が豊かになる。


・水をあげすぎずたまの雨に頼ることで、植物が水を探して地中深くまでしっかり根をはる。


といったことがあげられる、らしい。


ということで、できる範囲でこれらを実践してみることにした。

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害虫との終わりなき戦いから解放??

 

‥それから数ヶ月。春になってきていちばん実感した違いは、ズバリ、虫食い被害の減少だ。


一年前の秋や春は、菜の花や小松菜にアオムシが大発生し、それをいちいち見つけ出して一匹一匹駆除するのにめちゃくちゃ時間と労力をかけた。奴ら、潰しても潰しても新たに生まれてくる。


さらに、一通りアオムシを駆除したところで、朝方畑を見ると、根元からバッサリと切られていて絶望したことも何度もあった。悪名高いネキリムシの仕業だ。そのたびに、狂ったように周りの地面を小枝で掘り返し、憎き下手人(下手虫)を踏み潰したものだ。


ところが、自然農法スタイルで挑んだこの秋冬は、アオムシ被害もネキリムシ被害もゼロ。ウソでしょ??と思うくらい手間がかからず、きれいな状態の野菜が収穫できている。生ごみを地中に埋めて堆肥にしているくらいで肥料をあげていないから、虫が集まってこないのかな、という感じ。


まだ3月だから、これから春になって虫の動きが活発になると被害ゼロのままということもないとは思うが、今の時点での差は歴然としている。


肥料をあげていないので、もしかしたら野菜の生育は遅くなっているのかもしれない。でも、虫食い害がない分、結果的に無事に収穫できている量はこちらの方が多いし、何より、害虫との戦いに費やす時間とストレスがないのは素晴らしい。

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農業としては論争の的でも家庭菜園なら


自然農法といえば、エコの文脈でいうと、肥料を使わないから土壌を消耗・汚染せず、害虫も繁殖しにくいので殺虫剤を使わずにすみ、化学物質による環境汚染も抑えられる、という利点があると言われる。


一方で、現代日本で農業で生きていこうとしたら、そんなことをしたら生産量が落ちてしまう、そんな理想論は通用しない、という指摘もある。というか、そうした見方が圧倒的に強く、自然農法はまだまだマイノリティのようだ。


まあこのデメリットの指摘もわからないではないが、私のような単なる趣味で家庭菜園をやっている者としては、自然農法でとれる収穫量で十分だし、害虫と戦うストレスも減るし、殺虫剤も使わずにすむ、ということでけっこう利点が多いことがわかった。


畑の見た目がごちゃつくので好みが別れるかもしれないが、別に技術的に難しいことはない。家庭菜園をやられている方は、部分的にでもトライしてみてはいかがでしょうか。

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