大豆ミートより美味しくて安い! リデュースタリアン(肉食減量主義)のための「大豆弁当」生活
気候変動問題の解決に貢献できる「リデュースタリアン(肉食減量主義)」を実践しようと、日々のお弁当に肉の代わりに大豆ミートを使用したことは、前回のブログで書いた。
でも、そこで気が付いたことは、大豆ミートの味が決して美味しくはないということ。肉に似せた食感にしようとしているというが、実際はグニャッとした水っぽさがあって風味も薄く、本物の肉にはほど遠いクオリティという感想を抱いた。
そこで閃いたのが、加工する前の豆そのものを食えばいい、ということ。どうせ摂取できる栄養素も同じならば、下手に人の手を加えて肉に味を寄せるのではなく、豆そのものの美味しさを味わえばいいのではないか、ということだった。
結論から言うと、これは正解だった。この手法に気が付いてから約2カ月、今も大豆ミートはたまに食べているものの、私のお弁当のおかずのメインは圧倒的に「煮大豆」が増えた。
【びっくりするほどシンプルな大豆弁当の作り方】
では、具体的に私の「大豆弁当」の作り方をご説明しよう。
①乾燥大豆を水で戻す。
私が今使っているのは、「ふるさと納税」で2キログラムを1万円でゲットした、福井県越前大野市産の「赤大豆」と「青大豆」。乾燥大豆なので、水につけて戻してから調理する必要がある。「ふるさと納税」を使ったのは資金の節約のためで、普通に売っている黄色い乾燥大豆でもまったく問題ないし、味も大して変わらないと思う。
というか、スーパーなどでは真空パックされた「大豆水煮」が100g、150g、175gといった単位で普通に売っている。こちらを使えば、乾燥大豆を水で戻して煮る工程は省略できるため、このレシピの③から見てもらえばいい。乾燥大豆のほうが金銭的なコスパは良いが、時間や手間を考えたら「大豆水煮」を買った方が圧倒的に楽だ。
さて、乾燥状態の豆はそのままでは食えないので、お弁当をつくる前日の晩に150グラムほどを鍋に入れ、たっぷりの水に浸しておく。
一晩置くと、これが約2倍の300グラムに増えている。お弁当1食に100グラム使うとすると、これで3日分になる。
乾燥大豆はこの手間が面倒かもしれないけれど、常温で長期間保存が効くというメリットがある。
②戻した大豆を煮る。
1夜明けて水を吸った大豆は、まん丸だった乾燥状態からトランスフォームして、楕円型のお豆の形になっている。このフォルムが美しくて、思わずうっとり眺めてしまうことも。
このお豆をそのまま火にかけて、沸騰したら弱火で20分~25分ほど煮る。お豆の表面がつやつやして良い匂いがしてきたら食いごろだと思う。
ざるにとって水を切り、今日使う分以外はタッパーに入れて冷蔵庫で保存する。長期間保存する場合は、タッパーを冷凍庫へ(解答する時は電子レンジ)。私はだいたい、その週のお弁当3回分で食べきる計算で作っているので、もっぱら冷蔵庫を使っている。
③豆を野菜と一緒位に炒めたり、蒸したり。
これで大豆の水煮が出来たので、このままでも食べられる。小皿にとってお醤油をかけて食べると、おやつにもなる。
私の場合、煮大豆をお肉の代わりに見立てているので、ここから、様々な野菜と一緒にフライパンで炒めたり蒸したりして、塩や調味料(粉末だしを多用)をかけていただく。
大豆ミートの時と同様に、お肉の味が恋しくなった時は、煮大豆50グラム、豚ひき肉50グラム、といった感じで肉と半々にしても美味しい。
以上が私の大豆弁当レシピだ。ごくごくシンプルな料理だけど、まず言えることは、大豆ミートよりも明らかにこちらの方が美味しいし、毎食続けても飽きが来ないということだ。
美味しい肉をわざわざソーセージやベーコンにする必要がないように、大豆だって、人工的に肉に寄せる加工なんてしなくても、そのままの姿で十分に味わえる。歯ごたえもカリカリしていて気持ちいいし、食べた後もお腹にたまる満足感がある。見た目だって美しい。
たとえば、近所のスーパー「ライフ」では、煮大豆175グラムが98円で売っている。つまり、100グラムあたり約56円。スーパーで売っている大豆ミートは水で戻した量で換算しても100グラムあたり100円程度なので、こちらの方に軍配が上がる。お肉もだいたい100グラムあたり120~150円程度はするので、大豆のほうがお肉より50%以上安い。
ちなみに私の場合、「ふるさと納税」の大豆を使用しているので、納税枠を使い切るまではコストはタダみたいなもの。乾燥大豆は冷凍肉と違って冷凍庫のスペースを占領することもなくずっと保存できるのでありがたい。日本では古来、お米は貨幣の代わりに納税などに使われたが、それは保存が効き時間が経っても価値が落ちなかったからだろう。そういう意味で言うと、「ふるさと納税」で乾燥大豆をゲットするのも、現金を得ているような感覚がある。
【週5回大豆弁当で、肉消費量23%減】
話が脱線したが、こういうわけで、私は今、だいたい週3回くらいは大豆弁当を食べている。普通に美味しいし、「創味シャンタン」「ダシダ」「味噌だれ」「ガーリック塩」など、味つけや野菜との組み合わせによってさまざまなバリエーションも楽しめるため、飽きも来ない。たまに気まぐれに、大豆と肉のハーフハーフ弁当も作ることもある。
当面、妻にまで食生活の変化を強要できないので、大豆生活は自分一人で食べる昼の弁当だけにして、朝晩の食事はごく普通に肉を食べている。1日3食×1週間=21回の食事のうち、3回で肉を食べないとすると、肉を食べる量は従来より15%減っていることになる。これを週5回まで進めると、23%の減だ。
以前、このブログで紹介した「プラネタリー・ヘルス・ダイエット」が理想形だとするとまだまだほど遠いかもしれないけれど、この実験的生活から、リデュースタリアン(肉食減量主義)は十分に実践可能という感触を得ている。
単価が高い肉を食べる回数が減ることで、長い目で見ると家計も大助かりだし、肉を食べ過ぎないことで健康にとってもメリットがありそうだ。
ということで、「大豆弁当」生活、まだまだ続けてみようと思っている。