「肉食減量主義」を実践するために、大豆ミート弁当生活を始めてみた!
気候変動問題の解決に、日々の食事で貢献する。そのために、「リデュースタリアン(肉食減量主義)」という考え方があることを知った。あるいは、北欧EAT財団が提唱するプラネタリー・ヘルス・ダイエットもそうだが、共通する主張は、「肉を食べる量を減らす」というシンプルなものだ。これにより、生産時に大量の炭素を排出する畜産業の拡大を抑制していく必要がある。
では、具体的にこの考え方を日々の暮らしに取り入れるためにはどうすればいいのか。私が実践しているのは、「お弁当」を使った方法だ。
【スーパーで売っている「乾燥大豆ミート」の食べ方】
食習慣を変えるのは、特に家族がいる場合は簡単なことではない。その点、毎朝自分でつくって会社に持っていく「お弁当」ならば、材料も味付けも自分の裁量で行えるため、妻と合わせる必要はないことに気づいた。
まず、実践してみたのは、お肉の代わりに最近、スーパーマーケットにも普通に置かれるようになった「大豆ミート」だ。
ひき肉状や、フィレ状(小さな破片という感じ)、ナゲット状(やや大きな塊)のものなどがあり、お湯で戻して使う。煮込めば1分、お湯につければ3分~5分程度で食べられる状態になる。保存も効くので、買い置きしておけるのがありがたい。
私は大豆ミートをお弁当の具として、お湯で戻したものを刻んだ野菜とともに炒めて使ってみた。味付けは、中華風鶏だしの「香味シャンタン」や韓国製牛だしの「ダシダ」を小さじ1程度と、塩を適当に振りかけるというごくシンプルなもの。
【味は微妙。コスパは普通。健康面は、おそらく〇】
さてお味は……うーん、はっきり言って微妙。肉に似せた食感にしようとしていると言われているものの、本物の肉とはほど遠いクニャッとした感じで、味も薄味で水っぽくて、お世辞にも「うまい」とは言い難いシロモノに感じる。まあそれでも、食えなくはない。が、ここは正直に言うが、本物の肉のほうが圧倒的にうまい。
コスパは、まあまあ。乾燥大豆ミートは100グラムあたり300~400円程度で売られているが、お湯で戻すとおよそ3倍の分量になる。1食あたりの使用料は30グラムくらいでいいので、1食およそ100円程度。スーパーで豚ひき肉や鶏もも肉がだいたい100グラムあたり120~150円くらいだとすると、幾分か安い。長い目で見ると無視できない値段差ではあるが、大豆ミートがもっと普及するには、もう少し分かりやすくコスパが良くなればいいのに、とは思う。
より大きなメリットがあるのは、健康面か。どうも、現代人は動物性のたんぱく質を採りすぎているという見方があるらしく、それが高血圧やがんなどの原因になっているという。動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよく採るために、1週間の食事の何食かを大豆ミートにするのはアリだ。
あ、もちろん、こうした食生活がメジャーになって人類全体の肉の消費量が減れば、家畜を養うために使われている大量の炭素排出量を抑え、地球温暖化を止めることにつながるはず。その巨大なメリットを忘れてはいけない。
【裏技:大豆ミートと肉を混合した「妥協コース」も】
それでも、やっぱり味が……という悩みを解消するためには、大豆ミートを半量、本物の肉を半量使う「妥協コース」もありだと思った。こうすると、本物の肉のうまさも味わえて、気が付いたら肉の消費量が半分になっている。毎日、大豆ミートを食べているとさすがに飽きてくるので、この手法を併用するのもありだ。
願わくば技術がもっと進み、肉よりも明白に安価で手に入り、かつ、味も肉と互角に張れるくらいの大豆ミートが開発されたとき、本当に爆発的に普及するのではないかと思う。現代社会の技術の発展速度を考えると、遠くない未来にそんな日も訪れるのではないか。
……と、そんなことを考えつつ、しばらく大豆ミート弁当生活を続けていた私は、ふと、あることに気が付いた。
「いや、そもそも、大豆ミートじゃなくて大豆そのものを食えばいいんじゃね?」
ということで、私の次なるチャレンジについては次回をお待ちください。
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